仙台のルリモンハナバチ

2021年8月24日に仙台市野草園で見つけた「幸せを呼ぶ青い蜂」ルリモンハナバチの発見経緯については山と渓谷オンラインの私のコラム欄に詳しく書いている。そこでここでは、この蜂の生態と「幸せを呼ぶ青い蜂」という名称の由来について解説する。

成虫の出現期は一般に8月半ばから9月の終わりにかけての秋で、この季節に咲くさまざまな花を訪れる。たとえば、オミナエシ、コスモス、ミソハギなど。メスはシロスジフトハナバチという同じ蜂の一種が作った巣に産卵し、孵化した幼虫はシロスジフトハナバチが自身の子のために蓄えた餌を食べて成長する。このような寄生の仕方を「労働寄生」と呼ぶが、これは簡単に言うと、他人が一生懸命労働して蓄えたものをちゃっかり横取りするという寄生だ。

「幸せを呼ぶ青い蜂」という名称はベルギーの詩人メーテルリンクの童話「青い鳥」に由来する。この童話はチルチルとミチルの兄妹が青い鳥を探しに旅に出かけるが、旅では手にいれることができずに家に帰ってみると、なんと家の中にその青い鳥がいたという内容だ。そのストーリーの意味するところは、幸せは案外身近なところにあるんだよ、ということなのだろう。

今回の場合もいつも自然観察に訪れている身近な野草園での発見で、これはまさに「青い鳥」のストーリー。そういう点では、この小さな蜂は「青い鳥」ならぬ、まさに「幸せを呼ぶ青い蜂」と言っていいだろう。私が見つけたこの青い蜂の「幸せ」を皆さんにも是非共有していただければと思う。

山と渓谷オンラインの記事(2021年8月)

「幸せを呼ぶ青い蜂」ルリモンハナバチ

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