コマドリの囀り

フリーになったのを機に動植物の撮影に専念しているが、その1回目の遠征が5月の上高地。ここに紹介するのはその成果の一つ、コマドリのさえずりだ。コマドリは上高地を代表する野鳥として人気が高く、私も静止画だけでなく動画も撮りたいと思っていたが、今回、とある笹原の一角でその目的がかなった。

コマドリと私との距離は僅か7mほど。5分間ほども囀ってくれたので複数の動画が撮れたが、YouTubeで紹介しているのはそのうちの一本。「ヒンカラカラカラカラ」と聞こえる囀りが馬のいななきに似ることが「駒鳥(コマドリ)」という名前の由来だが、間近に聞くと、たしかにそうだなと思う。なお、YouTubeの動画では「フイー、チイ、チイ」という囀りも聞こえるが、これはホオジロ科のクロジと思われる。

それにしても、こんなに近くでコマドリを見ることができるとは思っていなかった。緊張した撮影を終えると、私は思わず天を見上げ、神に感謝したのだった。

上高地のコマドリ
上高地で観察したコマドリ

                                                                                     © 昆野安彦 山の博物記