5月の上高地の森でよく見かけるのがコサメビタキだ。地味な色合いでさえずる声も小声。それだけだとぱっとしない野鳥になってしまうが、どうして、どうして。その眼がとても可愛い。この眼を双眼鏡やカメラのファインダー越しに見れば、誰でも好きになってしまうだろう。
この写真は今年の撮影だ。場所はウエストン碑の近く。このあたりの疎林は野鳥が多く、とくに5月下旬頃はたくさんの野鳥を目の前にして大忙しの私だ。ある日の1日を書いてみると、5時~7時まで早朝撮影。7時~7時30分に朝食。7時30分~11時まで午前の撮影。11時~11時30分に早めの昼食。11時30分~2時半まで午後の撮影。2時半~3時に2度目の昼食。3時~5時に最後の撮影、といった具合だ。こうして書き出すだけでも何だか息が切れてきたが、フィールドで大忙しというのは天候にもフィジカルにも恵まれているわけで、それはそれで結構なことだと思っている。
梢でくつろぐコサメビタキ(上高地) |
© 昆野安彦 山の博物記