大雪山の哺乳類

哺乳類は昆虫や野鳥などに比べると大型のものが多いが、大型である分、ふだんはなるべく人目にはつかないように生活している。そのため、茂みの多い大雪山の山麓では哺乳類を見る機会は少ないが、エゾシカやキタキツネはあまり人を恐れないので、道路などに出ている個体を見ることがある。

一方、大雪山の高山帯は見通しが効くので、哺乳類がいれば遠くからでも気づくことが多い。エゾヒグマ、エゾユキウサギ、エゾナキウサギ、エゾオコジョ、エゾシマリスなどである。これらの野生動物はふだんの生活ではまず見ることができないので、野生動物の真の生きざまを間近で見ることをできるのは、大雪山登山の魅力の一つと言っていいだろう。なお、エゾナキウサギはその名の通りよく鳴くので、姿は見えないけれど、その鳴き声から居場所を知ることがある。

大雪山高山帯には上記以外の哺乳類も生息している。エゾヤチネズミやエゾトガリネズミなどだが、これら小型哺乳類を見る機会はあまり多くない。私は以前、エゾオコジョが口にくわえたエゾヤチネズミを見たことがある。














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