大雪山の森林を構成する針葉樹としては、トドマツ(モミ属)、エゾマツ(トウヒ属)、アカエゾマツ(トウヒ属)の3種が重要である。この3種は同所的に自生するが、幾つかのポイントで見分けることができる。
トドマツはモミ属。そのため、球果は上向きにつく(トウヒ属は下向きにつく)。また葉先がへこみ、葉裏に白い気孔線が2本あることも識別のポイントである。
エゾマツとアカエゾマツはどちらもトウヒ属で、トドマツとは異なり葉先がへこむことはない。両種は互いによく似ているが、葉の長さはエゾマツの方が長く1~2cmで、アカエゾマツの方は1cmを超えることは少ない。慣れれば、この葉の長さだけで両種を識別できる。また、この2種の葉には付け根にトドマツにはない葉枕があり、この点でトドマツとは明確に区別できる。
大雪山のエゾマツ(銀泉台) |
© 昆野安彦 山の博物記