大雪山の落葉樹

大雪山の落葉樹というと亜高山帯に生えるダケカンバがまず思い浮かぶが、高山帯にも少数ではあるが落葉樹が自生している。なお、地表を覆うように生えるクロマメノキやウラシマツツジ、一見草本のようなチングルマやチョウノスケソウも落葉樹なので、ここでは高さ1m以上になる小低木について紹介する。

風の強い大雪山の高山帯では背の高い落葉樹が自生できる環境は少なく、ハイマツ帯の林縁や風当たりの弱い稜線東側斜面でその姿を見ることが多い。白雲岳避難小屋から高根ヶ原へ下る道はハイマツ帯の中にあるが、この道沿いにヤナギ科のミネヤナギ、カバノキ科のミヤマハンノキ、バラ科のウラジロナナカマドが多く見られる。また、スイカズラ科のウコンウツギとチシマヒョウタンボクも所々で見られる。

この5種以外にも大雪山の高山帯に自生する落葉小低木はあるかと思われるが、今のところ、ちょっと思い浮かばない。次に大雪山に行くときは、この点に少し注意して観察しようと思っている。

大雪山の落葉樹
ミヤマハンノキの果穂(大雪山)

                                                                                    © 昆野安彦 山の博物記