大雪山で私が観察したことのある両生類はエゾサンショウウオとエゾアカガエルの2種である。エゾサンショウウオは北海道に生息する日本固有種、エゾアカガエルは北海道と樺太に生息する。ただし、樺太のエゾアカガエルは北海道のものとは形態的に少し異なるとされている。
高根ヶ原の南端にある忠別沼には両種が生息しており、沼畔の木道からエゾサンショウウオの幼生を観察できることが稀ではない。エゾアカガエルは忠別沼ではあまり多くないが、私は成体を観察したことがある。
大雪山高山帯ではアオダイショウやジムグリなどの爬虫類も観察されたことがあるようだが、私は見たことがない。なお、爬虫類のヒガシニホントカゲがの高原温泉(亜高山帯、標高1260m)に生息している。高原温泉には地熱地帯があり、これがヒガシニホントカゲの生息を可能にしていると思われる。
エゾアカガエル(忠別沼) |
© 昆野安彦 山の博物記