広瀬川のオオハクチョウ

仙台には2000年の夏から住んでいるが、住み始めて数年は広瀬川で白鳥を見た記憶がない。ところが2006年頃から広瀬橋付近の岸辺で白鳥が冬越しするようになった。このあたりの事情はよく分からないが、たまたま飛来した白鳥の群れが冬越しの場所としてなかなか良いことに気づき、以来、広瀬橋付近を越冬地として代々選んだ結果なのではと思う。

白鳥の越冬場所としては一般には湖やため池などの止水域が知られるが、広瀬川のような流水域が越冬地なのは比較的珍しいと思う。もっとも、冬季の広瀬橋付近の水の流れはとてもゆるやか。多少流れがあるものの、白鳥にとってはこの程度は「止水域」と同じ感覚なのかもしれない。

冬は白鳥の写真も撮っているが、一番気合が入るのは飛んでいる時だ。大型の鳥なので、その動きはじつにダイナミック。広瀬橋では上流の遠くの空からこちらに向かってくる鳥影を見つけることがあるが、ファインダー越しに見る白鳥の飛ぶ姿はじつに美しい。ここに掲げた写真は2022年2月の撮影である。

広瀬川のオオハクチョウ
広瀬川の上空を飛ぶオオハクチョウ

© 昆野安彦 山の博物記