サクラソウ

サクラソウは北海道、本州、九州の林間や原野の草地などに稀に自生するサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。自生環境が開発されやすい原野であったため、野生種が現在も見られる場所はごく少ない。本州では埼玉県の田島ヶ原サクラソウ自生地などに限られる。

花期は5月~6月で、楕円形でしわの多い根生葉から伸びた花茎の先にピンク色の花を数個つける。花は切れ込みの入った花弁が5枚あるように見えるが、実際は合弁花で基部は筒状になっている。

レッドリストの準絶滅危惧に指定されているが、本種が含まれるサクラソウ属には高山植物が多く含まれている。たとえば大雪山にはエゾコザクラが自生しているが、決して珍しいわけではなく、雪解け跡地などで大群落を作っている様子を観察することができる。

美しく咲いたサクラソウの花

    © 昆野安彦 山の博物記